日本ペインクリニック学会誌
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帯状疱疹後神経痛に対するコハク酸プレドニゾロンを用いたくも膜下ステロイド治療
リドカイン併用の有用性と問題点
黒川 博己森脇 克行佐伯 昇楠 真二河本 昌志弓削 孟文
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2004 年 11 巻 4 号 p. 434-438

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抄録
コハク酸プレドニゾロン (水溶性プレドニン®) はくも膜下投与が認められているステロイドである. 6症例の難治性帯状庖疹後神経痛患者 (上部胸髄, 下部胸髄レベル各3症例) に対して, コハク酸プレドニゾロン40mgを溶解した3%脊髄麻酔用リドカイン2~3mlを, くも膜下腔に延べ16回注入し, 治療の有用性と問題点をレトロスペクティブに検討した. 治療により疼痛は visual analogue scale で治療前中央値55から最終35へと有意に低下した. 16回の治療中14回で血圧が低下し, 昇圧薬が必要となった. また高位脊髄麻酔や鎮静による呼吸抑制が11回で生じ, 補助換気を必要とした. 高位脊髄麻酔による中枢神経症状の治療や予防のため9回でジアゼパムを使用した. 本法は帯状庖疹後神経痛の治療に有用であったが, 溶媒として用いたリドカインによる副作用は頻繁に認められ, 十分なモニター下に注意深い管理が必要であると思われた.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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