日本ペインクリニック学会誌
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BCG膀胱内注入療法12週間後に重篤な膀胱関連痛・アロディニアをきたした1症例
住谷 昌彦上林 卓彦林 行雄内田 一郎阪上 学井上 隆弥柴田 政彦真下 節
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2004 年 11 巻 4 号 p. 464-466

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抄録
表在性膀胱癌に対してBCG膀胱内注入療法を施行され, その遷延性の合併症として重篤な膀胱関連痛とアロディニアを呈した症例を経験した. 症例は88歳, 女性. 表在性膀胱癌に対し, BCG膀胱内注入療法を2期受けた. 施行中から強い膀胱刺激症状を認めていたが非ステロイド性抗炎症薬で辛うじて自制内であった. 治療終了12週目頃から下腹部と会陰部に重篤な灼熱痛やアロディニアを認め, その原因として膀胱と腎臓に起因する内臓関連痛が考えられた. 灼熱痛, アロディニアともに, 塩酸モルヒネの内服により著明な鎮痛が得られた. BCG膀胱内注入療法に伴う副作用はさまざまなものが知られているが, 膀胱関連痛とアロディニアがみられた症例はいまだ報告されていない.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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