日本ペインクリニック学会誌
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弾性ストッキングにより生じた圧迫性神経障害
今町 憲貴串崎 浩行土井 克史齊藤 洋司
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2005 年 12 巻 4 号 p. 393-395

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抄録
われわれは周術期に使用した弾性ストッキングにより浅腓骨神経の圧迫性神経障害を生じた症例を経験した. 患者は45歳, 女性. 卵巣腫瘍のため硬膜外麻酔併用の全身麻酔下で腹式単純子宮全摘術が施行され, 手術, 麻酔ともに問題なく終了した. 術後55日目に, 左足背のしびれのため当科に紹介となった. 左足関節部に圧迫痕と色素沈着があり, 圧迫痕部の浅腓骨神経の走行部位に叩打痛が認められた. 問診により, 手術の翌朝, 弾性ストッキングのホール部分がずり上がり左足背で強く絞まっていたことが明らかになった. 本症例は周術期に使用したストッキングによる浅腓骨神経の圧迫性神経障害が最も疑われた. ビタミンB12の内服治療を行い, 約1ヵ月後, 症状は消失した.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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