日本ペインクリニック学会誌
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自己末梢血単核球細胞移植を施行したバージャー病の2症例
田中 悟久保田 卓
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2007 年 14 巻 2 号 p. 128-131

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抄録
今回, われわれは自己末梢血単核球細胞移植を用いて治療を行ったバージャー病2例を経験したので報告する. 1例目は, 70歳代の男性で, 両足の冷感と安静時疼痛を主訴としていた. 自己末梢血単核球細胞移植を施行し順調に経過していたが, 約6カ月後再発した. そのため左右の腰部交感神経節ブロックを施行し, 直後より両足の安静時疼痛と冷感は改善し退院した. 2例目は, 40歳代の男性で, 両足安静時疼痛・冷感・潰瘍を主訴としていた. 両側の腰部交感神経節ブロックを施行したが, 効果が不十分なため末梢血単核球移植を硬膜外麻酔下に行った. 術後, 移植部の浮腫と痛みが強く, 持続硬膜外麻酔とリン酸コデインで疼痛管理した. その後両側の安静時疼痛と冷感は減少し足趾の潰瘍も改善した. 今回, 自己末梢血単核球細胞を移植してバージャー病の治療を行った症例を経験した. 腰部交感神経節ブロックの適応と血管再生療法前後での疼痛管理が, ペインクリニックの役割として重要であった. 腰部交感神経節ブロックの適応時期についてはさらなる検討が必要である.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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