日本ペインクリニック学会誌
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脊髄神経後枝内側枝の電気刺激による腰椎椎間関節性疼痛の分析
福井 晴偉大瀬戸 清茂塩谷 正弘有村 聡美多久島 匡登大野 健次唐沢 秀武長沼 芳和
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1996 年 3 巻 1 号 p. 29-33

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抄録

目的: 椎間関節を支配する各々の脊髄神経後枝内側枝がどの部位に関連痛として腰痛に関与しているか調べる目的で調査を行った. 対象と方法: 腰椎椎間関節症が疑われた患者で, 高周波凝固法による facet rhizotomy の電気刺激時に痛みの部位に放散痛が得られ, かつ疼痛再現性が得られた患者30人とした. 結果: 放散痛の部位を body diagram に記載し, L1~S1までの後枝内側枝の関連痛の部位チャートを作った. 結論: 各々の後枝内側枝の放散痛の部位について, L1はL1/2椎間関節直上を中心とする傍脊柱部, L2は主にL2/3椎間関節直上を中心とする傍脊柱部, 一部がその上下の傍脊柱部, 啓部, L3はL3/4椎間関節直上を中心とする傍脊柱部, 一部がその上下の傍脊柱部, 大腿外側部, L4はL3/4からL4/5椎間関節直上を中心とする傍脊柱部, 一部がその上下の傍脊柱部, 大腿外側部からそけい部, L5はL4/5からL5/S1椎間関節直上を中心とする傍脊柱部, 一部がその上下の傍脊柱部, 臀部, 大腿外側部, S1はL5/S1椎間関節直上を中心とする傍脊柱部, 一部がその上下の傍脊柱部, 臀部, 大腿外側部であった.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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