日本ペインクリニック学会誌
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脊髄神経後枝内側枝の電気刺激による頸椎椎間関節性疼痛の分析
福井 晴偉大瀬戸 清茂塩谷 正弘有村 聡美多久島 匡登大野 健次唐沢 秀武長沼 芳和
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1996 年 3 巻 1 号 p. 34-38

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抄録

椎間関節に起因する痛みは頸部痛の主な原因の一つだと考えられている. しかしそれぞれの椎間関節に起因する痛みに関してC3からC7までの脊髄神経後枝内側枝由来の関連痛の検索をした報告はない. 目的: 今回各々の脊髄神経後枝内側枝がどの部位の頸肩背部痛の原因として関与しているか調べる目的で調査を行なった. 対象と方法: 頸椎椎間関節症が疑われた患者で, facet rhizotomy の電気刺激時に痛みの部位に放散痛が得られ, かつ再現性疼痛が得られた患者28人とした. 結果:放散痛の部位を body diagram に記載し, C3~C7までの後枝内側枝の関連痛の部位チャートを作った. 結論: 各々の後枝内側神経の放散痛の部位は, C3は主に後頭部から耳介後部, 後上頸部, C4は主に後頸部, 肩甲上部, C5は主に下頸部, 一部が肩甲上角部, 肩関節部, C6は主に肩甲上角部, 一部が肩甲間部, 肩関節部, 上腕部, C7で主に肩甲間部, 肩関節部であった.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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