抄録
目的: 三叉神経領域の帯状癌疹痛・帯状疱疹後神経痛に対する, ガッセル神経節ブロック(GGB) の有効性を評価した. 方法: 局所麻酔薬とステロイドを用いたGGBを施行後, 2年間以上経過を観察した三叉神経領域の帯状疱疹痛, 帯状疽疹後神経痛19例について検討した. 結果: 施行2週間後では, MMPIにて人格偏位の認められない症例で, 有意に有効率が高かった. 施行2年後では, 知覚脱失例に比べて知覚低下例で, 有意に転帰が良好であった. そのほか, 罹病期間が短い症例や, 発作性電撃痛に, 有効例が多い傾向が認められた. 結論: GGBの効果は, 病前人格に大きな偏りがなく, 比較的早期例で, 発作性電撃痛か, 皮膚知覚の温存された症例に対して期待できる.