日本ペインクリニック学会誌
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帯状疱疹の治療指針
試案
眞鍋 治彦加藤 実宮崎 東洋比嘉 和夫
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2001 年 8 巻 2 号 p. 78-82

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抄録

目的: 帯状疱疹の治療では, 急性帯状疱疹痛を軽減し, 帯状疱疹後神経痛への移行を防止することが重要である. イギリス, フランスでは帯状疱疹の治療指針が提唱されている. しかし, それらは激しい急性帯状疱疹痛に対して有効な神経ブロックが行われていない国での治療指針である. 交感あるいは感覚神経ブロックが実施されている本邦での急性帯状疱疹痛の治療指針は異なる可能性があり, 指針の作成を試みた. 方法: 急性帯状疱疹痛の治療に用いられている非ステロイド性抗炎症薬, 抗ウイルス薬, 神経ブロック, 副腎皮質ステロイド, 鎮痛補助薬についてこれまでの報告を検討し, 個々の症例の治療指針を作成した. 結果と結論: 帯状疱疹の大多数を占めている, 免疫不全がなく, 発症72時間以内で50歳以上の症例では抗ウイルス薬, 非ステロイド性抗炎症薬を服用し, 急性帯状疱疹痛が激しい症例には, 神経ブロックの併用が勧められる. 他の症例の治療指針についても述べた.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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