精密機械
Print ISSN : 0374-3543
木材の切削に關する研究(第3報)
二枚鉋による逆目切削に就て
田中 義信津和 秀夫
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1950 年 16 巻 188 号 p. 145-150

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抄録

以上の實驗によつて,二枚鉋と手鉋に用いた時の適當な切削條件を調査し,その結果を鉋盤に應用して,仕上面を著るしく向上せしめたのであるが,その結果を総括すれば次の諸項目となる.
1.二枚鉋に於て切込と切削力の關係は一枚鉋と異り,切込の増大につれて切削力の増加率が増大する.
2.切削力と刄先距離との關係は,刄先距離が増大すると切削力は始め急激に減少し,0.3~0.4mm以上ではさして減少しない.故に0.3~0.4mm以下の刄先距離でなくては二枚鉋としての用をなさない.
3.仕上面の最良となる條件は主刄の切削角が40°のときは押え刄の切削角は50°,主刄が50°のときは押え刄は40°であり,刄先距離は0,1~0.2mmの時が最良である.
4.鉋盤に對して二枚鉋を應用することによつて仕上面を良好にする事が出來る.刄先距離が小さい時程仕上面はよくなる.

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© 社団法人 精密工学会
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