精密機械
Print ISSN : 0374-3543
フォトダイオードとその応用機器
露出計への応用
難波 靖弘
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1969 年 35 巻 419 号 p. 812-816

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抄録

近年, 半導体検出素子の発達は目覚しいものがある.その一つである光電変換素子においてもCdS, CdSeなどの光導電体, セレン光電池, フォトダイオード, フォトトランジスタなど, 各種のものが実用化されてきた.これらの素子は, それぞれ長所短所があり, 目的に応じて使い分ける必要がある.中でもフォトダイオードに属するもので, 分光感度分布の異なったものが最近各種開発されている.これらは光に対する応答性が速く, 光に比例した光電流を発生する.また一般に素子の諸特性が安定であるので, 従来光電管を使用している各種測定器にこれらを利用すると, 著しく小型にまとめることができる点魅力の多い素子である.
ここで述べるフラッシュメータは, 写真館やスタジオなどで, 被写体の照明用に使われている大型ストロボや, 写真用フラッシュ電球などの露出計 (光量測定器) として作られたものである.今までこの種の測定器は受光部に光電管を使用しているためAC電源が必要となり, 大型で使いにくいものであった.本器は受光素子として早川電機製のシリコンブルーセルSBC255を使用して, オールトランジスタ化し, 全体を小型軽量にすると共に, シャッタ時間回路を設けて, ストロボ光と定常光をあわせて測定できるようにした.また積分回路には特殊な対数変換回路を設けて目盛を等間隔にして読みとりやすくすることが可能となった.ここに本器の内容と, その受光素子の特性について紹介したい.

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