高温太陽炉のこれまでの研究経過と現状について,さらにその問題点と将来の動向についても簡単に述べたが,太陽炉が太陽エネルギ利用施設の中でももっとも温度レベルの高い機器であることから,今後エネルギ獲得手段であるか,高温発生手段であるか,あるいはそれらの両方を兼ねるものであるか否かを目的に応じて考えることが必要と思われる.高温発生手段としてのみ考えるのであれば,精度の高い放物面鏡システムを採用すれば十分であるが,その経済性を考慮し産業用の目的が加味されると,これまでのように物性測定その他基礎科学的分野の研究のみでなく,これらの成果を加えてさらに工学的な研究が活発に展開されねばならない.