精密機械
Print ISSN : 0374-3543
リニアサーボモータによるキャリジ位置決めの研究
川崎 晴久
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1981 年 47 巻 8 号 p. 994-999

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抄録

リニアサーボモータ駆動によるキャリジ送り機構の高性能化を図るために, 振動特性について検討を行い以下の結論を得た.
(1) 案内・支持機構の剛性に起因する縦揺れについて解析し, その固有振動数の向上を図る条件を明らかにした.
(2) リニアセンサ取付位置による系の動特性について解析し, 次の点を明らかにした.
(a) 垂直軸に関して, センサ取付位置と推力作用点とがキャリジの重心をはさむ構成にすると, 系は不安定となる.
(b) 位置整定時間を最小とする最適センサ取付位置が存在する.一般に, 制御目標位置が重心より離れるにつれて, 最適センサ取付位置も重心より離れた位置となる.
(3) モータ最大電流に制限のある場合の位置整定時間を明らかにした.
ここで実験に用いたリニアサーボモータは, 既に試作プリンタのキャリジ送り機構に供せられ, 平均印字速度70字/sを実現している.今後は, リニアサーボモータの軽量化と高推力化, リニアセンサの高信頼度化等が, リニアモータ駆動によるキャリジ送り機構の課題となろう.

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© 社団法人 精密工学会
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