精密機械
Print ISSN : 0374-3543
直角3次元サーボ機構の舵取り機構付加による運動精度の向上
阿波 啓造倉田 忠雄
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1982 年 48 巻 2 号 p. 218-223

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抄録
直角座標型3次元サーボ機構の連続軌道制御に対して,舵取り機構を付与し,定常特性については,舵取り機構が積分特性を有するため,直線運動におけるオフセットを改善することができた.更に3次元空間における円運動においても,角速度の補償によりオフセヅトを改善することができた.過渡特性については,折れ線運動において,舵取り機構の角速度演算より,折点におけるオーバシュート誤差の原因となる初期速度を打ち消す速度ベクトルを生成することにより特性を改善した.また誤差曲線より,定常特性においては誤差を最小にするパラメータはKnKcが同じ効果を表すことから,KnV=80として与えられ,速度が決まれば誤差を最小にするKnが求まる.同様に過渡特性においても誤差を最小にするパラメータはKnKeV=2×103として与えられ,Knが決定し,Vも定まるとなればKeはただ一つ求まる.計算機の演算時間を速めることができれば,舵取り機構はその特性をより発揮できるものと思われる.
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© 社団法人 精密工学会
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