2023 年 22 巻 1 号 p. 57-69
学校危機予防は,重要性が指摘されながらも,広範な視点からの具体的対策が講じられていない。本研究は,学校危機予防の簡便な実態把握と改善に向け,学校の危機意識を把握することを目的とした。研究1で,連携・価値・組織・環境・カリキュラム・研修からなる支援ツールにより実態把握を行い,組織的取組の不十分さが共に認識され,役割・職務/分掌・校種間では異なる認識が示された。研究2では,学校危機対応の機会が多い養護教諭の危機予防の課題認識を精察し,危機意識が6領域に分化し,経験年数では危機意識の違いが示された。よって,危機予防教育のカリキュラム化・組織化・環境整備・規律の共有・地域特有の課題意識が示され,学校危機予防への具体的対策のあり方への示唆が得られた。