2025 年 25 巻 1 号 p. 33-46
本研究は,知的障害特別支援学校の養護教諭が職務上抱える困難を明らかにし,一般校の養護教諭が抱える困難との共通点と相違点について検討することを目的とした。調査対象は,知的障害特別支援学校に勤務する養護教諭とし,半構造化面接を実施した。そして,得られた発話データは,一般校の養護教諭の困難として示されている枠組みに従い分類した。分析は,13名から得られた発話データについて行われた。その結果,知的障害特別支援学校の養護教諭が抱える困難は,一般校と共通する困難に加えて,知的障害特別支援学校特有の困難があることが示された。また,一般校と相違がある知的障害特別支援学校特有の困難には,「児童生徒の障害や特性に応じた対応」「疾病管理や発作対応」「言葉によるコミュニケーション」「教師からの障害や薬に関する相談への対応」「保護者の個別性に応じた対応」「保護者からの児童生徒の発達に関する相談への対応」「重責な業務への対応」が見出された。ここから,知的障害特別支援学校の養護教諭は,障害などに関する知識不足や,求められる役割が一般校と異なることによって困難が生じていると考えられた。