2025 年 25 巻 1 号 p. 97-110
本研究の目的は幼児期の援助要請の測定方法を展望し今後の課題を示すことである。研究疑問は「幼児の援助要請はどの過程がどの程度検討されているのか」「幼児の援助要請はどの概念がどの程度検討されているのか,幼児を対象とした援助要請の測定方法にはどのようなものがあるか」である。2003年から2022年における164本の研究から適格基準に合う12論文13研究が抽出された。スコーピングレビューの結果,1歳8か月から6歳児を対象とした研究が行われていた。研究は援助要請の行動生起過程に関するものが多く,すべての研究が援助要請行動の点から測定しており,頻度を分析する研究が最も多かった。測定方法は実験法と観察法が多かった。さらに,援助要請行動を感情調整方略や自己制御行動の一部に位置付けた研究も見られた。レビューの結果から見出された未解決な課題(ギャップ)として,援助要請行動のパフォーマンスと機能を研究すること,援助要請行動を測定するコーディングシステムを確立すること,援助要請と類似した概念を整理し,概念の重複や違いを明確にすること,が挙げられた。