2025 年 25 巻 1 号 p. 83-96
子どもたちは困っている人に出会うと援助しようとするが,児童期後期になると援助しないという判断もするようになる。本研究は,児童期から青年期前期の子どもたちの援助判断の発達的変化を明らかにするために,1)援助判断が分かれる場面を選定し,2)援助判断が分かれる時期の子どもたちの援助判断時の感情や判断の理由の特徴を検討した。その結果,被援助者の困窮度が中程度の場面では,小学2・4年生と小学6年生・中学2年生の援助判断ならびに援助判断時の感情や判断理由に違いがみられた。小学6年生・中学2年生は,小学2・4年生よりも,援助しないと判断することが多くなり,援助判断への肯定的な感情は低かった。加えて,援助することへの義務感を感じる程度が低く,当初自分が予定していた行動をすることは許容されると認識していた。これらの結果は,被援助者の困窮度が中程度の場合,小学2・4年生は援助しなければならないと考え,判断時に葛藤をすることは少ないが,小学6年生や中学2年生になると,多様な観点から援助の是非を考えるので,判断時に葛藤が生じ,援助しないという判断も選択肢として想定するようになることを示唆している。