2005 年 20 巻 2 号 p. 2_9-2_14
高齢化社会の到来に伴い、わが国でも療養型医療施設が急速に増加しつつある。これらの施設で長期療養をうける高齢者にとって、医療の基本である栄養管理の重要性は論を待たない。特に療養型施設収容の高齢者には自力で経口からの摂食が不可能である者が多く、これらの患者の栄養管理には、経鼻胃管、胃瘻 (外科的胃瘻、経皮内視鏡的胃瘻) などのアクセスルートを介した経腸栄養が選択される。しかし、高齢者患者は、身体的障害程度や併存疾患の有無によって病態には個人差が大きく、個々の患者に応じた栄養評価に基づいて、ルートの選択、維持・管理、さらに投与する栄養剤の素材や量など細やかな栄養管理を行うことが必要である。