抄録
最近、企業の社会貢献:Corporate Social Responsibility(以下CSR)の重要性が認識されている。組織の存在理由を社会全体あるいは各ステークホルダー(利害関係者)への貢献度を基軸に考えようとするものであるが、このステークホルダーへの貢献度という観点から当院NSTのアウトカムを検討した。(1)患者、(2)職員、(3)地域社会の3種類のステークホルダーについてみてみると、(1)ではTPN症例数が減少し、EN症例数が増加していた。また、抗生剤の使用量は設立時の半量にまで減少した。(2)では院内で52名がカリキュラムを終了し、3名の「NST専門療法士」が誕生した。また、看護師離職率の減少傾向が認められた。(3)に関しては9ヶ月間に51名の見学者、8名の研修者を受け入れた。