静脈経腸栄養
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PPM-III方式による全科型NSTの効果
伊藤 彰博東口 高志村井 美代梶谷 伸顕水野 修吾
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2006 年 21 巻 1 号 p. 1_63-1_68

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抄録

日本栄養療法推進協議会の施設認定が開始され、NSTも質が問われる時代に突入した。当院でも、2004年4月よりPPM-III方式を用いて全科型NSTを稼動しているが、今回NST稼動前後を6ヶ月毎に比較し、NST稼動による効果を検討した。NST活動により、栄養障害患者は、稼動前の63.7%から約30%まで減少し、栄養改善効果が得られた。さらに、経腸栄養患者数および経腸栄養剤使用量の増加、感染予防効果として、カテーテル関連血流感染率(稼動前:9.2、9.3%→稼動後:2.9、3.0、2.7%)、MRSA発生率(稼動前:1.8、2.6%→稼動後:1.2、0.8、1.1%)は低下した。褥瘡発生予防効果として、全科の新規褥瘡発生率は低下し、特に緩和ケア病棟ではその低下は顕著であった(稼動前:40.9、32.4%→稼動後:10.8、3.6、1.9%)。当院NSTの特徴を生かし、良好に稼動しているが、褥瘡、感染、給食委員会とのコラボレーションによりNST稼動1年で十分な効果が得られ、一般業務は減少した。

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© 2006 日本静脈経腸栄養学会
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