静脈経腸栄養
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特集:がん患者の栄養管理
がん悪液質の病態
赤水 尚史
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2008 年 23 巻 4 号 p. 607-611

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抄録

末期がん患者の多くは、食欲不振・体重減少・全身衰弱・倦怠感などを呈し、悪液質(カヘキシア)と呼ばれる状態に陥る。がん悪液質は、生命予後やquality of lifeに多大な影響を与える点で重要である。悪液質の特徴は、脂肪組織のみならず骨格筋の多大な喪失を呈することである。このような病態をもたらす要因は、単なる食欲低下とエネルギー消費の増大ではなく、その上流にサイトカインネットワークや腫瘍特異的物質の産生が存在すると考えられている。また、患者の年齢や活動度などによってその病態が修飾されることが最近指摘されている。がん悪液質に関連するサイトカインや腫瘍由来物質の同定とそれらの筋肉や脂肪などに対する作用が分子レベルで精力的に検討されているが、このような研究の進展が新たな治療標的の発見や治療法の開発に結びつくと期待されている。

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© 2008 日本静脈経腸栄養学会
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