2010 年 25 巻 5 号 p. 1047-1050
肝硬変患者の多くはタンパク・エネルギー栄養障害(Protein-energy malnutrition:PEM)を合併しているため栄養評価はきわめて重要である.しかし栄養指標の多くは肝硬変の病態により修飾をうけるためいくつかの栄養指標を組み合わせて評価することが必要である.肝硬変患者の栄養指標の多くは肝硬変患者の予後を予測できる因子であることから肝硬変患者の栄養評価は単に栄養状態の評価としてだけではなく,予後の評価としても重要である.また,肝硬変患者に対して栄養評価を行い,栄養治療を行うに際して肝硬変患者に見られる種々の代謝異常に考慮して栄養治療を行う必要がある.