静脈経腸栄養
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原著
半固形化経腸栄養剤の投与が介護負担に及ぼす影響
岡田 晋吾小川 滋彦
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2011 年 26 巻 6 号 p. 1399-1406

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抄録

【目的】半固形化経腸栄養剤の投与が、在宅で経管投与を行っている主介護者の介護負担に及ぼす影響を調べる。
【対象及び方法】在宅において胃瘻を有する患者と同居している介護者で、液体経腸栄養剤の投与を行った経験があり、その後1ケ月以上半固形化経腸栄養剤の投与を行っている主介護者を対象とした。介護を受ける患者は、1日の必要カロリーの大部分の栄養を胃瘻から投与されている者とした。方法は、液体経腸栄養剤を投与した場合と半固形化経腸栄養剤を投与した場合の介護時間や介護環境の変化について、自記式の調査用紙に記入依頼した。計34件の回答を得た。
【結果】介護時間、栄養剤投与時間、片付けに要する時間、患者に対して目が離せないと感じる時間は、液体経腸栄養剤 (1回の投与あたり101.0、93.8、17.6、73.5分) より、半固形化経腸栄養剤 (74.5、16.6、13.7、24.7分) を使用した方が、有意に短かった(p<0.05)。患者の臨床症状も改善し、88.2%の介護者から、半固形化経腸栄養剤にしてよかったという結果が得られた。
【結論】半固形化経腸栄養剤を使用することにより、患者の臨床症状が改善し、更に介護に関わる時間が短縮したため、介護負担が軽減することが示唆された。

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© 2011 日本静脈経腸栄養学会
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