がんの治療に際して栄養療法の併用は不可欠である。手術療法・化学療法・放射線療法においては合併症・副作用を低減し、完遂率・治療効果を高める。手術療法におけるERASとimmunonutritionの有用性は高い。進行がんでは摂食量減少・炎症発現・筋蛋白崩壊による栄養不良が進行し、がん悪液質に至る。栄養指導・BCAA強化・充分な蛋白補給・炎症の抑制 (NSAIDsあるいはEPA投与) ・蛋白分解の抑制 (EPA投与) は悪液質の発現と進行を遅延させる。がん患者については診断時から終末期までの栄養療法の適用が有用であり、必要である。