静脈経腸栄養
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特集
院内における抗がん剤曝露の実態とその対策
濱 宏仁橋田 亨
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2013 年 28 巻 2 号 p. 619-625

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抄録

抗がん剤調製時に設備やクローズドシステムといった器具を導入する対策によって,その従業者曝露が減少することはエビデンスとして報告されている.これらの取り組みは,院内環境を抗がん剤汚染から安全に保持するために大きく参考になる.しかしながら,それは医療従事者が抗がん剤曝露に対して十分な知識を持ち,安全に取り扱うことへの意識改革が徹底されてこそ成立する.定期的な院内の抗がん剤汚染状況のモニタリングの実施等によって,その確認が可能である.院内の抗がん剤汚染は,毎日医療従事者が曝露し続けることに加え,訪れる患者やその家族もまた同様であることを忘れてはならない.汚染が少ないから,対策を導入しているから安全であるということではなく,本来環境中から検出されるはずのない抗がん剤が少量であっても検出されることがないよう努めなければならない.

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© 2013 日本静脈経腸栄養学会
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