抄録
COPDはこれまでは呼吸器疾患としてとらえられていたが、現在では全身の系統的炎症を伴っていることが明らかになった。このためエネルギーバランスがマイナスになりやすく、早期から筋肉量の減少が生じ、筋肉量の減少は全身状態の悪化の危険性と関連している。
体重減少が予後に関連する重要な因子であることが明らかになっているが、筋肉量減少はタンパク質を主体とした栄養補給を行い、サイトカイン産生コントロールを目的とした治療も考慮することで、栄養学的に改善しうる可能性がある。これまでの臨床試験では栄養サポートの効果を証明し得たものはないが、呼吸リハビリテーションなどを合わせて行うことで効果的な方法であることが期待される。