2013 年 28 巻 5 号 p. 1125-1129
【目的】胃瘻造設は急性期病院で行われるが、造設後の管理は慢性期病院、在宅や介護施設が殆どである。本研究では、介護施設における胃瘻管理に関する現状を報告する。【対象及び方法】当院と連携している152の介護施設を対象にアンケート調査を行った。【結果】75施設から回答を得た。57%の介護施設が胃瘻患者の受け入れを可能と回答した。受け入れが困難な理由は、医療体制、人員不足、情報不足、コスト等の問題があった。胃瘻管理の対応に最も困ることはスキントラブルであった。病院連携の不十分さや胃瘻造設に対し疑問を感じる意見があった。【結論】介護施設で胃瘻管理を適切に行うための体制は不十分である。今後、介護施設での胃瘻管理には、看護職の増員、24時間の医療体制・連携等の改善が必要である。また、胃瘻造設の適応や栄養療法のあり方について、病院だけでなく介護施設の意見を含めた議論が必要と考えられる。