2013 年 28 巻 6 号 p. 1231-1238
外科疾患患者に対する栄養療法は手術後患者のアウトカムを決定する重要な因子であり術前の栄養状態に応じた適切な周術期栄養管理や重症病態患者に対する栄養管理を行うことにより確実にアウトカムの向上を図ることが可能である。周術期・重症病態に対する栄養管理は近年数多くの臨床試験が行われ新しいエビデンスが蓄積されており、これらを含めた本邦独自のガイドラインが改訂された。これらに基づいた適切な栄養管理により合併症の予防・治療など確実に臨床的アウトカムの改善が期待できる。周術期・重症病態に対する栄養管理に関するQ&A形式のガイドラインにより実際の臨床に即した方法を理解できるようになり、それらの根拠を解説文に明解にまとめられており外科疾患患者管理を行うすべての職種に有用なランドマークとなると考えられる。