静脈経腸栄養
Online ISSN : 1881-3623
Print ISSN : 1344-4980
ISSN-L : 1344-4980
特集
輸液ラインディバイスの現状と課題
井上 善文
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 29 巻 2 号 p. 725-731

詳細
抄録
静脈栄養を行う場合の合併症予防対策としては、カテーテル感染に対する対策がきわめて重要である。中でも輸液ライン、特に接続部に対する対策が重要である。現在注目されているのがカテーテルと輸液ラインの接続部に用いられるニードルレスコネクターである。本邦ではニードルレスコネクターに対して閉鎖式輸液回路という呼称が用いられているが、この表現は正しくない。針刺し防止のために開発されたもので、感染予防目的に開発されたものではない。逆に、閉鎖式という日本語訳のために、これらの器具を用いれば感染しないという誤った考え方が広まっている可能性がある。正しい使い方をしなければ、逆に感染のリスクを高めることになる。三方活栓の使用・使用方法、ニードルレスコネクターの使用法、インラインフィルターの適応など、本邦の輸液管理の実情に応じた対策を講じるべきである。
著者関連情報
© 2014 日本静脈経腸栄養学会
前の記事 次の記事
feedback
Top