静脈経腸栄養
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原著
トリニトロベンゼン・スルホン酸(TNBS)惹起ラット大腸炎に対するプロバイオティクス麹(麹菌醗酵産物)の効果
高橋 良樹福田 能啓野口 敬康三野 幸治奥田 真珠美
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2014 年 29 巻 2 号 p. 741-747

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抄録

【目的】麹菌醗酵産物が TNBS誘発大腸炎ラットの腸管病変に及ぼす効果を検討した。【方法】麹菌醗酵産物(プロバイオティクス麹)として強力わかもと®、その組成分アスペルギルス・オリゼー NK菌培養末を用いた。ラットに5%プロバイオティクス麹を4週間混餌投与し、TNBS/50% Ethanol注腸で大腸炎を誘発した。対照群は精製飼料を同様に投与し、大腸炎を誘発した。TNBS注腸7日後に、大腸病変、大腸のsuperoxidedismutase(SOD)、myeloperoxidase活性と血清 Zn濃度、大腸のサイトカイン mRNA量、糞便Lactobacillus属の変化、下痢固体数などを評価した。【成績】5%プロバイオティクス麹投与群では、対照群に比して体重減少、下痢が抑制され、大腸重量と傷害スコアの上昇が有意に抑えられ、SOD活性、Lactobacillus属と Zn濃度の低下も有意に改善又は改善傾向を認めた。著しく上昇した TNF-α、Cytokine induced neutrophil chemoattractant-1は、プロバイオティクス麹により有意に抑制された(p<0.01)。【結論】プロバイオティクス麹は、TNBS誘発大腸炎の大腸病変の悪化を防止し、腸管環境を改善した。

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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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