日本周産期・新生児医学会雑誌
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Print ISSN : 1348-964X
原著
当院での帝王切開の現状と今後 ~Robson Ten(10)classificationを用いた検討~
矢野 恵子大門 篤史直 聖一郎松本 知子吉田 篤史井淵 誠吾石川 渚永昜 洋子田中 智人藤田 太輔大道 正英
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2025 年 61 巻 1 号 p. 120-125

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抄録

 WHOが帝王切開率の評価と多施設との比較目的に5つのパラメーターで分娩を10グループに分類するRobson 10-Group Classification System(RTGCS)を推奨している.今回,当院で分娩となった1,100例をRTGCSで分類し,各グループの帝王切開数及び率を算出し,地域周産期母子医療センターの既報と比較した.当院では,単胎で37週以降に頭位で分娩となった初産婦と自然陣痛発来し分娩となった経産婦の群で,他施設と比較して帝王切開率が高かった.当院は,帝王切開後の経腟分娩を行っており,37週以降に頭位で分娩となった単胎の既往帝王切開後妊娠症例では有意に帝王切開率が低かった.

 国内の同規模の施設間でRTGCSを用いた結果を比較検討した報告は,本報告が初めてである.本邦でのさらなるRTGCSの比較検討をする際には,各グループの帝王切開の要因を詳細に検討した上での多施設共同研究が必要である.

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