日本小児外科学会雑誌
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鎖肛における倒立位単純レ線像 (Invertogram) の診断的意義
佐伯 守洋秋山 洋沢口 重徳遠藤 昌夫監物 久夫小方 卓
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1976 年 12 巻 4 号 p. 537-548

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抄録

手術, 剖検, 或は造影検査によって, 病型が確診された新生児鎖肛85症例のInvertogramを用い, 骨盤構成骨の定線或は定点を基準として直腸盲端の高さを判定し, 病型と盲端の高さとの関係について検討した結果, 以下の知見を得た.1. 非外瘻性病型において, 生後13時間以上を経て撮影されたInvertogramは, 多くの場合診断的価値を有する.2. 外瘻性病型ではInvertogramの持つ診断的意義は極めて少ない.3. 盲端ガス像が生骨下端線より下位に及んで認められた場合, 低位型と診断し得る.4. 非外瘻性中間位型の盲端は, I線直上部からI線に至るまでの狭い範囲に認められる.5. Rectourethral f.例の盲端は, P-C線頭側からI線直上部に至る種々の高さに認められた.その大多数例の瘻孔は, 前立腺部尿道に開口していたが, 瘻孔が膜様部尿道に繋っているものもあり, かかる症例の盲端像は, I線直上に描出されるため, Invertogram上中間位型との鑑別は極めて困難である.6. Rectoversical f.の盲端ガスは, P-C線より高位にある.本論文の要旨は, 第12回日本小児外科学会総会(1975年6月, 東京)で発表した.

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© 1976 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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