日本小児外科学会雑誌
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おしらせ
追悼文
症例報告
  • 亀井 一輝, 田口 匠平, 山内 健
    2025 年61 巻7 号 p. 1014-1017
    発行日: 2025/12/20
    公開日: 2025/12/20
    ジャーナル オープンアクセス

    症例は8歳女児.左後部座席に乗車中,車が電柱に衝突し,ドクターヘリにて救急搬送された.シートベルトは肩ベルトを外し,骨盤のラップベルトのみ装着していた.下腹部にシートベルト痕があり,腹膜刺激症状を認めた.CTにてfree airがあり,消化管穿孔の診断で緊急手術を行った.腹腔鏡下に検索すると盲腸周辺に損傷があり,右下腹部で開腹すると,回盲弁対側の盲腸が縦に裂けていた.一期的な縫合閉鎖と付加的虫垂切除を行い,ドレーンを留置した.術後一過性にイレウスとなったが,徐々に腸蠕動は改善し,術後4日目にドレーンを抜去,5日目に食事摂取を再開し,9日目に退院となった.自動車乗車中の交通外傷の診療では,シートベルトによる腹腔内臓器損傷の発生機序や特徴を理解し,腹部臓器損傷の可能性を考慮する必要がある.また,小児における不適切なシートベルト使用による臓器損傷のリスクは,広く社会に周知されるべきである.

  • 中島 啓吾, 藤解 諒, 栗原 將, 佐伯 勇, 石川 洸, 三井 伸二, 高橋 信也, 檜山 英三
    2025 年61 巻7 号 p. 1018-1023
    発行日: 2025/12/20
    公開日: 2025/12/20
    ジャーナル オープンアクセス

    IgA血管炎は半数以上で腹痛を認め,外科的合併症を来す症例もまれに報告される.症例は4歳男児.IgA血管炎の加療中に小腸重積症を発症し,非観血的整復困難にてHutchinson手技による観血的整復を施行したが,ステロイド加療継続中に腸穿孔を来し,初回手術後10日目に再手術を要した.IgA血管炎に対するステロイド加療中には,腹部症状の変化に注意し,腸穿孔につながる可能性を念頭に置いた診療が必要である.

  • 猪股 直高, 小川 雄大, 内野 眞也, 小栗 沙織, 竹森 翼, 甲斐 真也, 松本 重清, 吉村 健司, 二宮 繁生, 猪股 雅史
    2025 年61 巻7 号 p. 1024-1029
    発行日: 2025/12/20
    公開日: 2025/12/20
    ジャーナル オープンアクセス

    小児期発症バセドウ病の治療は薬物治療が主体であり,手術適応となる症例は多くない.今回,高度気道狭窄を呈した5歳女児のバセドウ病症例に対して,多診療科連携での診療を行ったので報告する.症例は5歳女児,出生後に21トリソミー,クレチン症と診断され,2歳時にバセドウ病へと変容したため抗甲状腺薬での加療が行われていた.4歳5か月頃から喘鳴が出現し,甲状腺腫による気道狭窄を認め加療目的に当科紹介となった.気管の最狭小部は2.6 mmと高度狭窄を認め,症状改善目的に甲状腺亜全摘を予定した.全身麻酔時の気道確保困難が予想されたため,多診療科カンファレンスの上,体外循環の準備下に手術を行う方針とした.自発呼吸を残した状態での軽度鎮静下意識下挿管が可能であり,予定通り甲状腺亜全摘術を行うことができた.小児期発症バセドウ病による高度気道狭窄は報告例が少なく,多診療科が連携して診療を行う必要があると考えられた.

  • 瀧口 翔太, 川口 雄之亮, 照井 慶太, 武之内 史子, 小松 秀吾, 西村 雄宏, 菱木 知郎
    2025 年61 巻7 号 p. 1030-1034
    発行日: 2025/12/20
    公開日: 2025/12/20
    ジャーナル オープンアクセス

    腎外傷後に尿貯留や血腫ではない腎被膜下囊胞性病変を生じ,その経過中に腎性高血圧を発症した一小児例を経験したため報告する.症例は5歳男児.遊具から転落し,右側腹部を打撲,血尿を認めたため前医を受診した.画像検査で右腎上極に被膜損傷と腎周囲血腫形成を認め,腎損傷II型と診断された.保存的加療後,外来にて経過観察中に経時的な腎被膜下囊胞性病変の増大を認めたため当科紹介となった.当初は尿溢流を疑い,囊胞を穿刺排液しダブルJ型尿管ステントを留置した.病変は一時的に縮小したがその後再増大した.さらに再増大による腎圧迫の影響と考えられる腎性高血圧(Page kidney)を発症したため,降圧薬の内服を開始,ドレーンを留置した.3か月間のドレーン留置で病変は縮小したが,ドレーン抜去後2年の時点でも降圧薬の継続内服を要している.外傷後腎被膜下囊胞性病変が腎性高血圧の原因となる可能性がある.腎外傷後は慎重な経過観察が必要である.

  • 中谷 太一, 佐々木 航, 吉村 翔平, 福井 慶介, 冨岡 雄一郎, 村上 紫津, 久松 千恵子, 横井 暁子, 畠山 理
    2025 年61 巻7 号 p. 1035-1040
    発行日: 2025/12/20
    公開日: 2025/12/20
    ジャーナル オープンアクセス

    症例は14歳女児.脊髄性筋萎縮症1型に対する長期気管切開管理中に反復する誤嚥性肺炎やカニューレ交換困難などを契機に気管食道瘻と診断され,当院へ転院搬送となった.軟性/硬性気管支鏡および上部消化管内視鏡検査にて気管切開孔直下から尾側に4 cmの気管食道瘻を認めた.手術は頸部アプローチ・術野換気にて実施.壊死した気管組織を切除し,食道瘻を修復した後,食道修復部と気管が直接接触しないように舌骨下筋群を介在させて喉頭気管分離術を施行した.経過良好にて術後16日目に前医へ転院となった.良性後天性気管食道瘻は稀な疾患であり,慢性的なチューブやカフによる機械的圧迫が主因とされる.術前に瘻孔の位置・大きさ・気管・食道の状態を十分に評価したうえで,症例に応じた治療方針を検討することが重要であり,喉頭気管分離術が有効な治療選択肢となり得ることが示唆された.

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