1. 小児の大腸待期手術の術後合併症, 創感染検出菌, 薬剤感受性及び抗生剤経口投与による糞便細菌叢の変化と術後合併症の発生頻度を検討した.2. 術後合併症は高率に発生しており, 創感染からの検出菌は, 好気性グラム陰性桿菌と嫌気性無芽胞グラム陰性桿菌のBacteroides fragilisが多数を占めた.3. 好気性菌に対してはGentamicinが, Bacteroides fragilisに対してはChloramphenicol, Lincomycin, Clindamycinが高い感受性を示した.4. 抗生剤経口投与による糞便細菌叢の変化をみると, Gentamicin, Metronidazole併用投与例が最も確実な効果を示した.5. Gentamicin+Clindamycin, Gentamicin+Metronidazole投与例では, Kanamycin投与例に比べ術後合併症は著明に減少した.6. 大腸術前管理としての経口抗生剤には, 好気性菌に対するGentamicin, Debekacin, Tobramycin等のAminoglycoside系抗生剤と嫌気性菌に対するMetronidazoleの2日間併用投与が最適であると考えている.