当科で開腹診断を受けたNH症例6例について各所見を同時期のBA症例39例と比較し, 鑑別に有用たる指標の有無を再検討した.その結果右季肋下肝最大径, 便シュミット試験の陽性率, γ-GTP, リポ蛋白X, 血清総蛋白, 血清総コレステロール, アルカリフォスファターゼ, GOT, 白血球数について両症例間に有意差が認められ, 鑑別に有用であったことが判明した.BAの治療には早期手術が大切であることはいうまでもないが, 一方NH症例に対しては少しでも不要な開腹を避ける努力も重要と思われ, その際にはこれらの項目の検討が診断の一助となり得ると考えられる.