日本小児外科学会雑誌
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小児鼠径ヘルニアの標準術式としての Mitchell Banks 法 : 8148 例の治療経験と術式の検討
古田 靖彦大津 一弘塩田 仁彦
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2000 年 36 巻 7 号 p. 1042-1049

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抄録
【目的】過去34年間に当科で手術した小児鼠径ヘルニア8148例を術式について検討した.術式の変遷を経て現在Mitchell Banks法(以下MB法)を私共の標準術式としているが, MB法は一般病院においても標準術式たり得ることを報告する.【方法, 結果】各年代における治療法とその治療成績は, 1965年∿1976年は一貫してFerguson法を行い2600例(2875側)中再発は1側(再発率0.03%), 1976年∿1991年は主にLucas-Championniere法(以下L-C法)で3865例(4211側)中再発は5側(0.12%), 1987年∿1999年はMB法で1671例(1937側)中再発は3側(0.15%)であった.同一術者(著者)により手術された各術式100例(無作為抽出法による男女各50例)ずつについて比較検討した結果, 平均手術時間はFerguson法は男23.6分, 女16.4分, L-C法は男20.8分, 女14.5分, MB法は男11.5分, 女8.8分であった.全症例中の術後合併症はFerguson法群に血腫2例, L-C法群に縫合糸膿瘍3例を認めた.MB法の手術手技についてその概略を述べた.【結論】術式による治療成績に差がなければ, MB法は鼠径管を開かないで高位結紮するので簡単で安全な術式であり, 標準術式として優れた術式と思われる.
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