今回, 虫垂ポリープを合併した小児のPeutz-Jeghers症候群(以下P-J症候群と略す)の1例を経験した.症例は2歳の女児.主訴は腹痛で, 口唇に色素沈着を認めた.腸重積の診断で高圧浣腸を行い整復.その際, 回盲部に腫瘤を認めたため精査を行い, P-J症候群に合併した回盲部ポリープおよびS状結腸ポリープと診断した.S状結腸ポリープは内視鏡的に切除可能であったが回盲部ポリープは切除困難であったため開腹手術を行うこととした.開腹所見にて, 回盲弁直下に5 cm大のカリフラワー状の盲腸ポリープを認め, さらに虫垂ポリープを認めたため, 回盲弁温存盲腸虫垂切除術を施行した.P-J症候群に合併する消化管ポリープは食道を除く全消化管にみられるが虫垂ポリープの頻度は非常に少なく, 検索した範囲では本邦の小児例の報告は第1例であると思われた.