日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
腎外性ウイルムス腫瘍の1例
中田 光政吉田 英生松永 正訓幸地 克憲大塚 恭寛岡田 忠雄佐々木 恒武之内 史子大沼 直躬
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 39 巻 1 号 p. 58-63

詳細
抄録

腎外性ウイルムス腫働は稀な疾患である.我々は後腹膜腔に発生した腎外性ウイルムス腫働の1例を経験した.症例は2歳の男児で下腹部腫瘤を上訴に当科紹介入院となった.入院時,右下腹部に弾性硬で可動性のない腫瘤を触知した.CT,MRI検査で膀胱頭側の後腹膜腔に腫瘍が存在したが,石灰化,及びリンパ節腫大は認められなかった.後腹膜腫瘍の術前診断で腫瘍全摘術を施行した.摘出標本は95×80×70mm大で,垂さ234gであった.病理組織所見は日本病理学会の小児悪性腫瘍組織分類の腎芽型小巣亜型で、NWTSのfavorable histologyを呈する腎外性ウイルムス腫瘍と診断された.術後Regimen EE-4A (JWiTS)の化学療法を施行し,冶療終了後1年9ヵ月の現在,再発なく経過している.

著者関連情報
© 2003 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top