日本小児外科学会雑誌
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直腸肛門奇形に合併した子宮留血腫に対する治療戦略
望月 響子大浜 用克新開 真人武 浩志北河 徳彦工藤 博典畑田 智子
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2010 年 46 巻 7 号 p. 1136-1140

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抄録

直腸肛門奇形に合併した子宮留血腫の治療法を検討した.症例1:12歳女児.肛門膣前庭瘻,重複膣,重複子宮.子宮・卵管留血腫,子宮頸部閉鎖症に対し,開腹子宮膣開窓術を行った.3か月後開窓部閉塞を認め,直視下子宮膣開窓部再開通術を行い,マレコーカテーテルを留置した.7か月後抜去し月経血排泄障害はない.症例2:12歳女児.直腸総排泄腔瘻,結腸欠損,重複子宮.子宮・卵管留血腫,子宮頸部閉鎖症に対し,開腹子宮膣吻合術を行い,腎盂バルーンを留置した.ステント抜去後,卵管・子宮留血腫が増大し直視下子宮膣吻合部再開通術を行った.左子宮は低形成で摘出し,右子宮膣吻合部にマレコーカテーテルを留置した.2年5か月後抜去し,月経血排泄障害はない.子宮留血腫は腹痛や感染を伴い,緊急対応が必要である.子宮膣吻合/開窓部は狭窄しやすくステント留置が有用だが,留置ステントの不快感や事故抜去など治療上の課題がある.ステントの種類や留置期間を引き続き検討していく.

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