日本小児外科学会雑誌
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腸重積症を合併した超低出生体重児における胃破裂の1例
深堀 優吉本 裕良高瀬 隆太溝口 直子石井 信二緒方 宏美赤岩 正夫鶴 知光八木 実
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2010 年 46 巻 7 号 p. 1156-1159

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抄録
超低出生体重児に発症した胃破裂に腸重積症を合併した非常に稀な1例を経験したので報告する.症例は日齢4の男児.在胎25週4日,胎児仮死徴候のため緊急帝王切開で出生した.出生時体重729g.出生後より排ガス,排便を認めず,4生日に突然の腹部膨満を認めた.腹部X線で著明なfree air像を認めたため,消化管穿孔の診断で緊急開腹手術となった.開腹時所見では胃小弩側に約2cmの破裂部を認め,さらに回腸末端より口側35cmの部位には約15cmにわたる回腸-回腸型腸重積を認めた.胃縫合術及び回腸部分切除術を施行した.術後縫合不全を認めたが,術後7か月目で退院となった.胃破裂の成因として,本症例は胃血流障害を生じ得る多数のリスクファクターが併存したことに加え,人工呼吸管理と食道・胃蠕動運動の未熟性に起因する胃内圧上昇機転が作用し,胃小弩側の破裂を惹起したと推察された.
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