抄録
【目的】直腸肛門奇形のうち外観上で瘻孔を認めない症例の中にも低位鎖肛を少なからず認める.これらに対し全例で人工肛門を造設してよいのかは疑問である.人工肛門造設決定のための適切な病型診断法について検討した.
【方法】過去10 年間に当院で経験した直腸肛門奇形50 例のうち,外観上瘻孔を認めなかった18 例を対象とした.診療録をもとにそれぞれの病型と病型診断方法,人工肛門造設の有無とその整合性について後方視的に検討した.
【結果】Invertography を施行できた症例は16 例だが,正診率は75%であった.実際には低位であるが,invertography で中間位~高位と診断された症例が2 例あり,1 例は不要な人工肛門を造設された.もう1 例は超音波検査で低位と診断され,人工肛門造設を回避できた.
【結論】外瘻孔がない直腸肛門奇形ではinvertography で実際よりも高位に直腸盲端が描出されることがあり,会陰部からの超音波検査が有用であった.また,尿所見や尿路造影が有用であった症例も認めた.