2025 年 61 巻 6 号 p. 954-961
副脾は剖検例の10~30%で認められ通常は無症状であるが,捻転による梗塞が生じた場合には急性腹症の原因となる.今回我々は,腹痛を主訴に来院した13歳の男児に対し腹腔鏡補助下に腫瘤摘出を行い有茎性大網副脾捻転の診断に至った1例を経験した.術前画像検査では,T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を示す境界明瞭な腫瘤を認めた.病理所見では,脾柱構造を有する脾組織と器質化血栓を伴う動脈を確認し,副脾捻転と診断した.術後経過は良好であり,再発や合併症なく経過観察を終了した.副脾捻転の術前診断は困難であるが,臨床的に疑われる場合は診断的意義を兼ねた審査腹腔鏡の実施を積極的に考慮するべきである.本症例の報告により,副脾捻転の診断と治療の一助となることを期待する.