気管支学
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気管支娘枝とその支配領域(気管支娘枝をめぐって)(第 11 回日本気管支学会総会特集)
加藤 誠也小場 弘之鈴木 明
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1988 年 10 巻 5 号 p. 488-493

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抄録

びまん性肺疾患の水平方向での病変分布, 病態の違いが知られてきている。Heitzmanの方法による伸展固定肺を用いて, 気管支の分岐形態について娘枝とその支配領域に注目しながら検討を行った。典型的な娘枝の親枝との径比の平均は0.47, 分岐角の平均は77度であるのに対し, 同じく主軸枝のそれは各々0.72, 48度であった。娘枝の支配領域は主軸枝に較べて約3割小さかった。親枝の分岐次数が増すにつれて, 娘枝の径は小さくなる傾向が認められたが, 3から6次の親枝から出る娘枝の分岐角に違いはなかった。これらは気道内での気流の分配や粒子沈着を考える上で重要である。娘枝は内層あるいは中間層を多く支配するのに対し, 外層を支配する気管支の8割は主軸枝末梢であった。以上より気管支の分岐形態の違いは水平方向の病変の違いを探る上で重要と考えられた。

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© 1988 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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