気管支学
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表紙
会告
目次
巻頭言
論評
原著
  • 鈴木 知之, 鈴木 学, 坂本 慶太, 橋本 理生, 石井 聡, 仲 剛, 飯倉 元保, 泉 信有, 竹田 雄一郎, 杉山 温人
    2019 年 41 巻 2 号 p. 110-116
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.呼吸不全患者に気管支鏡検査を行う場合,鼻カニューレや酸素マスクといった従来の酸素投与方法では酸素化を維持できず,検査を施行できない症例がある.近年になり非侵襲的陽圧換気(Noninvasive positive pressure ventilation:NPPV)や高流量鼻カニュラシステム(High-flow nasal cannula:HFNC)の補助下で気管支鏡検査を行うことの有用性が示されている.呼吸不全患者に対し,ジャクソンリース回路による用手的マスク換気下で気管支鏡検査を行うことの有効性と安全性について,これまで報告はない.目的.急性呼吸不全を呈した患者において,ジャクソンマスク換気の気管支鏡検査での有効性と安全性を評価する.方法.2014年6月から2016年12月の期間に,当院にてジャクソンマスク換気による酸素供給下で気管支鏡検査を実施した,現病および処置に伴い急性呼吸不全を呈した患者7例について,診療録より後方視的に検討した.結果.呼吸不全に対応しながら7例すべてにおいて気管支鏡検査を完遂できた.気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)は5例,経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy:TBLB)は5例,血腫除去1例,超音波気管支鏡下経気管支リンパ節穿刺(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)1例を施行した.ジャクソンマスク換気と関連する明らかな偶発症は認めなかった.全例で診断や治療に寄与する結果が得られた.結論.急性呼吸不全を呈した患者において,ジャクソンマスク換気を併用することで検査可能となる症例が存在することを確認でき,有用で安全な方法の1つであることが示唆された.今後さらなる症例の蓄積と,十分な検討が必要である.

症例
  • 赤堀 大介, 横村 光司, 金田 桂, 後藤 彩乃, 小谷内 敬史, 天野 雄介, 角谷 拓哉, 須田 隆文
    2019 年 41 巻 2 号 p. 117-122
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.特発性脊柱側彎症に伴う呼吸機能障害は整形外科的治療により改善することが知られているが,成人の報告例は少ない.症例.青年期より脊柱側彎症を指摘されている63歳女性.数年前から自覚していた就寝時の呼吸困難が咳嗽と喀痰を伴い増悪したため,前医を受診.拘束性換気障害に加え呼気中一酸化窒素濃度の軽度上昇があり,下気道感染を繰り返すことから,吸入ステロイド薬/長時間作用性吸入β刺激薬配合剤とマクロライド少量長期投与療法が開始されたが無効であり,当科に紹介となった.呼吸困難は就寝時,とりわけ仰臥位で増強し,側臥位や腹臥位で軽減した.胸部CTでは右中間幹が椎体の前面で扁平狭小化しており,胸郭変形に伴う気道狭窄が症状の主因と考えられた.脊柱側彎症に対して胸椎後方矯正固定術を施行したところ,自覚症状・気管支狭窄所見・肺機能の改善が得られた.結論.高度の脊柱側彎症に伴う気道狭窄には,脊柱矯正固定術が有効な治療選択となる可能性がある.

  • 森谷 友博, 青木 光, 新村 卓也, 望月 晶史, 大川 宙太, 川上 直樹, 若井 陽子, 齊藤 和人
    2019 年 41 巻 2 号 p. 123-126
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.声帯に非結核性抗酸菌症を生じることは稀である.症例.72歳女性.XX年6月より嗄声を自覚するようになり,同年8月に当院を受診した.喉頭ファイバーにて右声帯は不整となっており,同部位の生検から類上皮肉芽腫が検出され,内部にZiehl-Neelsen染色陽性の菌体を認めた.胸部CTでは気管支拡張を伴う多発粒状影,浸潤影を認め,気管支洗浄液にてMycobacterium aviumが検出されたため,非結核性抗酸菌症と診断した.XX年9月より化学療法を行い,声帯の不整は軽快し,XX+1年11月の気管支洗浄液培養で抗酸菌陰性になったことを確認した.結論.声帯に異常を認め非結核性抗酸菌症の診断に至った稀な症例を経験した.

  • 所 弥生, 安尾 将法, 吾妻 俊彦, 山本 洋, 谷 直樹, 小池 剛史, 花岡 正幸
    2019 年 41 巻 2 号 p. 127-132
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.長期介在気管支異物は,気管支鏡的な摘出に難渋することが多い.症例.76歳男性.脳出血後遺症で意識障害があり,永久気管切開後であった.3カ月前に他院にて肺炎と診断され,治療を受けた.今回,膿性痰と発熱を主訴に他院で肺炎と診断された.胸部X線写真で右下肺野に気管支異物を認め,処置目的に当院へ転院した.3カ月前の胸部X線写真で既に異物を認め,長期介在気管支異物と判断した.気管支鏡検査で異物およびその周辺に著明な肉芽を認めたが,肺膿瘍による膿性分泌物のため視野確保困難であった.抗菌薬投与後に膿性分泌物は減り,肉芽は縮小し,アルゴンプラズマ凝固(argon plasma coagulation:APC)併用により局所麻酔下軟性気管支鏡で合併症なく異物(歯冠補綴物)を摘出した.結論.長期介在気管支異物で著明な肉芽を認めた場合でも,抗菌薬の使用,APCによる肉芽の焼灼,凝固による止血の併用により軟性鏡でも安全に除去し得る症例がある.

  • 篠原 周一, 鬼塚 貴光, 笠原 千夏, 久賀 孝郎, 伊藤 浩, 松下 明弘, 町田 和彦, 松尾 正樹, 菅谷 将一
    2019 年 41 巻 2 号 p. 133-138
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.間質性肺炎合併肺癌の術後に好酸球肺炎を合併することは稀である.症例1.69歳,男性.間質性肺炎を有する右下葉肺癌に対して右下葉切除とリンパ節郭清を施行した.術後4日目にCTで両側の網状影を認め,BALを施行し,好酸球優位であった.その後,経過観察したが,術後9日目に再度呼吸状態の増悪を認め,ステロイド大量療法を行い,呼吸状態は著明に改善を認めた.症例2.66歳,男性.間質性肺炎を有する左上葉肺癌に対して消極的縮小手術として左上葉部分切除を施行した.術後12日目に労作時の呼吸困難感を自覚し,間質性肺炎増悪を疑いBALを施行し,好酸球優位の所見であった.ステロイドを開始し,徐々に酸素化は改善した.結語.間質性肺炎合併肺癌術後に呼吸状態増悪を認め,間質性肺炎の増悪と鑑別を要した好酸球性肺炎の2例を経験した.呼吸状態増悪の原因診断においてBALが有用であった.

  • 糸魚川 英之, 島 浩一郎, 米田 一樹, 八田 貴広, 佐藤 健太, 小林 弘典, 篠原 由佳, 森 美緒, 山本 雅史
    2019 年 41 巻 2 号 p. 139-143
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    症例.54歳の認知症のある女性が,施設入所中に自分の身に付けていたオムツパッドを破いて内部の高分子ポリマーを口の中に入れて,呼吸困難となっている状態で発見され,救急搬送となった.胸部単純CTで気管,右主気管支に異物を認めた.気管挿管を施行し,気管支鏡を用いて異物除去を施行した.オムツパッドに含まれる高分子ポリマーは水分を含んで膨張して,粘度を増すことが知られており,気管支鏡による吸引除去では,吸引口が閉塞する可能性があると考えられた.生検鉗子にて除去を試みたがゲル状であるため崩れてしまい,把持困難であった.気管支鏡の先端から鉗子を出して気管支吸引用カテーテルを把持した状態で,挿管チューブ内に挿入し,気管,右主気管支,右上葉の異物を吸引,除去することができた.結論.高分子ポリマーによる気管支内異物の報告,および気管支吸引用カテーテルを気管支鏡を用いて気道内に誘導することによって除去し得た例は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.

  • 森本 健司, 伊達 紘二, 河野 秀彦
    2019 年 41 巻 2 号 p. 144-148
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.本邦では無気肺を呈したサルコイドーシスの報告は少ない.症例.68歳,女性.労作時呼吸困難を主訴に当院を受診した.胸部CTで両肺上葉に粒状陰影と気管支狭窄に加え,右中葉無気肺を呈していた.右中葉はpositron emission tomography(PET)-CTでfluorine-18 deoxyglucose(FDG)の高集積を呈しており,肺癌を疑い,気管支鏡検査を実施した.中葉気管支は完全に閉塞しており,同部位からの組織生検でサルコイドーシスの診断を得た.結論.無気肺を呈する原因としてサルコイドーシスの報告例は少ないが,鑑別に挙げる必要がある.

  • 菅谷 健一, 淺井 康夫, 野本 正幸, 福田 麻佐美, 山田 志保, 大木 隆史, 清水 哲男, 丸岡 秀一郎, 高橋 典明, 權 寧博
    2019 年 41 巻 2 号 p. 149-153
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.ダビガトランエテキシラートによる薬剤性肺障害として肺胞出血,好酸球性肺炎,遊走性肺炎の報告があるが,transbronchial lung biopsy(TBLB)を施行した報告は少ない.症例.73歳男性.発作性心房細動に対しダビガトランエテキシラートを開始され,その2か月後より労作時呼吸困難を認めたため当院を受診された.胸部X線,CTにて両肺野スリガラス影を認めた.気管支鏡検査を行ったところ,TBLBで肺胞隔壁の線維化とリンパ球浸潤を認め,ダビガトランエテキシラートによる薬剤性間質性肺炎が考えられた.ステロイドセミパルス療法を行い,速やかに呼吸状態および画像所見の改善を認めた.結語.ダビガトランエテキシラートによる薬剤性肺障害は多様な所見を認め,TBLBが診断に有用であった.

  • 横関 万里, 山中 美和, 宮原 隆成, 赤羽 順平
    2019 年 41 巻 2 号 p. 154-159
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.両側気管支異物の頻度は高くないが,発症時は呼吸不全に陥る可能性が大きく,迅速な処置を要する.今回我々は,リンゴ片を誤嚥して発症した両側気管支異物を軟性気管支鏡下に摘出し得た症例を経験した.症例.71歳男性.脳血管障害の既往歴がある.デイサービスで2 cm大に切ったリンゴを摂取中に呼吸困難を訴え,当院に搬送された.胸部CT検査にて両側気管支内にそれぞれ1個,計2個のリンゴ片を認めた.鎮静後,人工呼吸器管理とし,軟性気管支鏡下に把持鉗子,バスケット鉗子,生検吸引針,消化器内視鏡用バルーンを用いて全てのリンゴ片の除去に成功した.結論.気管支異物症例は限られているため,ひとつひとつの症例経験についてCTの撮影法,気道確保・麻酔管理の選択,異物除去の方法にわたって細かく検討しておくことが大切である.その上で新たな症例に遭遇した際は,それらの経験を生かし,常に異物の性状に応じた適切な内視鏡用デバイスを用意・選定できるよう準備をし,適切な呼吸管理のもと迅速に異物除去術を開始できるようにしておくことが重要である.

  • 塚越 優介, 澤田 友里, 蜂巣 克昌, 笠原 礼光, 鶴巻 寛朗, 矢冨 正清, 櫻井 麗子, 砂長 則明, 前野 敏孝, 久田 剛志
    2019 年 41 巻 2 号 p. 160-163
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.気管気管支アミロイドーシスは稀な疾患であるが,全身疾患との併存例も報告されている.症例.58歳,女性.線維筋痛症,全身性強皮症,シェーグレン症候群について通院中に慢性咳嗽を生じ,当科を受診した.胸部単純CT検査で,左B3,左B8,および右B7中枢側に限局した石灰化を伴う気管支壁肥厚と狭窄を認めた.経気管支鏡的気管支生検を施行したところ,病変部にALアミロイド沈着を認め,気管気管支アミロイドーシスと診断された.医学中央雑誌による検索では,報告例の約17%に何らかの全身疾患が合併しており,その中でもシェーグレン症候群の合併例が多かった.結論.気管気管支アミロイドーシスの病態に,全身疾患が間接的に関与する可能性がある.

  • 山本 亜弥, 山崎 春香, 岩田 隆
    2019 年 41 巻 2 号 p. 164-169
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    はじめに.気管支ステント留置部から放線菌感染を来し,気管支大動脈瘻による喀血で死亡した剖検例を経験したので報告する.症例.64歳男性.持続する咳嗽を主訴に受診し,CT検査で左肺門部腫瘤を指摘.気管支鏡検査で左主気管支の高度狭窄を伴う腫瘍を認め扁平上皮癌と診断.翌日左無気肺による呼吸不全を来したためカバー付き金属ステント(Ultraflex)を左主気管支に留置した.肺扁平上皮癌cT4N1M0 cStage IIIAとしてcarboplatin+S-1併用化学療法を開始.3コース施行した段階で発熱および嚥下困難を来した.胸部CT検査で食道気管支瘻を指摘され食道ステントを留置し症状は改善,以降S-1維持療法のみ施行.診断より5か月目に自宅で多量の喀血を来し救急搬送されたが来院時心肺停止状態であった.病理解剖では左主気管支ステント末梢側から気管支大動脈瘻を認め,同部位から放線菌が検出された.

  • 谷野 明里, 栗本 典昭, 奥野 峰苗, 中尾 美香, 天野 芳宏, 堀田 尚誠, 濱口 愛, 濱口 俊一, 石川 典由, 礒部 威
    2019 年 41 巻 2 号 p. 170-175
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.左上区の尾側方向に分岐する気管支へのアプローチは,通常の挿入法ではしばしば困難である.症例.70歳男性.胸部CT検査で左S3に結節影を認め,前医でCTガイド下生検を行ったが確定診断に至らず.当院で気管支鏡検査を実施した.極細径気管支鏡(外径2.8 mm)を経鼻挿入し,枝読みで同定した左B3biβxに極細径気管支鏡を挿入して,凹凸不整の白色調の上皮病変を認めた.細径気管支鏡(外径4.0 mm)に入れ替え,左B3biに通常挿入を試みたが到達困難であった.左主気管支でスコープを時計方向に180度回転させ,ダウンアングルを用いながらアプローチするとB3biに誘導が容易となり,EBUS-GSにて到達し(within),生検で扁平上皮癌と診断した.ファントムで,気管支鏡を180度回転させた例と通常挿入例ではスコープの軌跡が異なることが示された.結論.左上区の尾側枝にアプローチする場合は,気管支鏡を180度回転させる手技が有効な場合がある.

  • 川口 健太郎, 秦 雄介, 河瀬 成穂, 堀田 尚克, 栗林 忠弘, 松本 理恵, 今井 茂郎, 塩田 雄太郎
    2019 年 41 巻 2 号 p. 176-180
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.結核症に伴う血球貪食症候群は比較的稀な病態であり,致死率が高い.症例.70歳,男性.縦隔リンパ節および肺門部リンパ節腫大に対し,他院で超音波気管支鏡ガイド下経気管支針生検が行われた.採取された検体のZiehl-Neelsen染色が陽性で,PCR検査で縦隔リンパ節結核と診断されたため,当院に紹介された.入院後,末梢血および骨髄で血球貪食像を認め,血球貪食症候群と診断,ステロイドと抗結核薬による治療が開始された.良好な経過で治療開始から7週間後に退院した.結論.ステロイドと抗結核薬の併用療法により軽快した,結核起因性血球貪食症候群の1例を経験した.超音波気管支鏡ガイド下経気管支針生検が,縦隔リンパ節結核の診断に有用であった.

  • 水品 佳子, 坂東 政司, 中山 雅之, 髙﨑 俊和, 間藤 尚子, 金井 信行, 福嶋 敬宜, 遠藤 俊輔, 鈴木 拓児, 萩原 弘一
    2019 年 41 巻 2 号 p. 181-186
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.肺サルコイドーシスにアスペルギルス感染を併発する頻度が高いことが報告されているが,限局性拡張気管支内腔に生じたアスペルギローマは稀である.症例.69歳,男性.胸部異常陰影の精査目的に来院した.胸部CTで舌区に単発の結節影を認め,気管支鏡下生検でアスペルギルス感染が示唆された.根治治療目的に胸腔鏡下舌区域切除術を施行し,病理学的にサルコイドーシスを背景とした気管支拡張症とその内部のアスペルギローマと診断した.結論.単発の肺結節影を呈し,サルコイドーシスを背景とした限局性拡張気管支内腔に生じたアスペルギローマの1例を経験した.背景疾患を含めた診断および治療に外科的切除が有用であった.

  • 金本 幸司, 嶋田 貴文, 藤原 啓司, 望月 芙美, 小原 一記, 藤田 純一, 栗島 浩一, 飯島 弘晃, 石川 博一
    2019 年 41 巻 2 号 p. 187-192
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.特発性器質化肺炎は市中肺炎様の浸潤影を呈するが,治療にはステロイド剤を使用するため感染症との鑑別が重要である.また高率に再発し治療も長期化するため,日和見感染症の合併にも注意を要する.症例.77歳,男性.抗菌薬不応性の多発浸潤影を認め臨床的に器質化肺炎と診断,ステロイド治療で軽快するも減量に伴い再燃を繰り返した.経過中にCRP陰性の発熱,頭痛,意識障害が出現,髄液検査からクリプトコックス髄膜炎と診断し,抗真菌薬治療で改善した.抗真菌薬投与下にステロイドを減量中,陰影が増悪したため気管支鏡検査を施行.経気管支肺生検検体で肺胞腔内に器質化像を認めるも,組織および気管支洗浄液中にクリプトコックスを認めず,本例の器質化肺炎は特発性と診断した.結論.器質化肺炎の診療では,診断時からステロイド治療中の全経過においてクリプトコックス症に注意が必要であり,気管支鏡検査は鑑別診断に有用である.

  • 隈元 朋洋, 冨岡 勇也, 松山 洋美, 鵜木 泰自, 谷川 健悟, 堂嶽 洋一, 三山 英夫, 籾 博晃, 佐藤 雅美, 井上 博雅
    2019 年 41 巻 2 号 p. 193-197
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.気管支原発粘表皮癌は,唾液腺型肺癌に分類される稀な腫瘍である.症例.26歳男性.血痰を契機に当院に入院となり,右上幹腫瘍および右上葉無気肺を指摘された.気管支鏡検査で右上幹入口部に表面平滑な結節を認め,自家蛍光気管支内視鏡画像ではマゼンタ色を呈していた.生検で確定診断に至らなかったが,悪性疾患の可能性が高いと判断した.当院呼吸器外科にて胸腔鏡補助下右上葉スリーブ切除を施行し,低悪性度気管支原発粘表皮癌の診断に至った.結論.若年男性に発症し,右上葉スリーブ切除を行った気管支原発粘表皮癌の症例を経験した.完全切除された気管支原発低悪性度粘表皮癌は予後良好とされているが,再発の有無について注意深い経過観察が必要である.

  • 尾下 豪人, 伊藤 徳明, 森 智紀, 妹尾 美里, 山本 祐太郎, 川﨑 広平, 奥崎 健
    2019 年 41 巻 2 号 p. 198-203
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー

    背景.リポイド肺炎は肺病変の中に脂質の蓄積を認めるもので,内因性の原因には腫瘍による気道閉塞,脂肪塞栓症,胃食道逆流症などが知られている.症例.胃全摘術後の75歳男性.前医のCTで右下葉すりガラス影を指摘され,当院紹介となった.呼吸器症状はなかったが陰影が残存するため,気管支鏡検査を施行した.気管支肺胞洗浄液は黄色であり,脂肪貪食マクロファージを多数認めたことからリポイド肺炎と診断した.気管支鏡検査の20日後から発熱,呼吸困難が出現し,CTで陰影の増強を認めたため,副腎皮質ステロイド薬や抗菌薬で治療したところ,陰影は消退した.食道逆流症の予防に努めたところ,ステロイド中止後も再燃を認めなかった.考察.胃全摘術後であることから,リポイド肺炎の発症原因として食道逆流に伴う不顕性誤嚥が疑われた.気管支鏡検査が誤嚥を助長し,増悪を招いた可能性がある.

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