1988 年 10 巻 5 号 p. 575-579
症例は結核の既往を持つ46歳の女性, 繰り返す発熱を主訴に来院。来院時の胸部X線像にて右上野に浸潤影が認められ, 肺炎の診断で入院加療となった。入院後に行なった気管支鏡検査で, 右B^3入口部に黄灰白色の結石を認め, 気管支結石による閉塞性肺炎と診断した。胸部X線像で結石の移動性を確認後気管支鏡下にて, 結石を摘出し以後順調に経過した。気管支結石は比較的希な疾患で気管支鏡下での摘出は慎重に考えなければならないが, その可動性が認められた場合はその適応があると言われている。今回我々は結石の可動性を確認し気管支鏡下にて摘出し得た例を経験したので報告した。