気管支学
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気管支ファイバースコープにて摘出できた気管支異物 6 症例の検討
甘利 俊哉本田 孝行久保 恵嗣藤本 圭作小山 関哉小泉 知展森田 正重小山 茂堀江 史朗早坂 宗治蜂谷 勤小林 俊夫関口 守衛望月 一郎
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1992 年 14 巻 5 号 p. 433-437

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抄録
当科にて経験した6例の気管支異物について検討した。異物の内訳は, 歯科関連物質が3例, キュウリ片, トウモロコシ粒, 魚骨がそれぞれ1例ずつであった。歯科関連物質3例は胸部単純X線写真にて診断されたが, その他3例は気管支鏡検査にて初めて診断された。異物の存在部位は5例が右肺で, また, 下葉気管支に存在した異物が4例であった。存在期間は誤嚥後数時間から1年であり, 長期に存在した症例では異物の周囲に肉芽の形成を認めた。全例に気管支ファイバースコープ検査を施行し, 生検鉗子にて摘出に成功した。気管支ファイバースコープによる摘出は患者の精神的, 身体的負担が軽度で, 外来で施行することも可能なため第一選択の治療と考えられた。
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© 1992 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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