気管支学
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経気管支的 Fluconazole 注入が有効であったアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の 1 例
前田 光一北村 和道竹中 英昭玉置 伸二成田 亘啓
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1993 年 15 巻 1 号 p. 69-74

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抄録

症例は35歳, 男性で気管支喘息発作, 発熱, 粘液栓喀出を主訴に入院。胸部X線上, 右下肺野に浸潤影を認め, 気管支鏡では右B^8とB^5入口部が粘液栓にて閉塞しており, 末梢血好酸球増多, 血清IgE高値, アスペルギルス抗原に対する沈降抗体, 皮膚反応陽性などからアレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断。Prednisolone (PSL) 20mg/日の内服にて臨床症状と胸部X線の改善を認めたが, PSLを5mg/日以下に減量すると悪化したため, 気管支鏡下にFluconazole 20mgを2週ごとに3回, 経気管支的に注入したところ陰影は完全に消失し, PSL中止後も再発はみられなかった。注入による副作用はなく, ステロイドの離脱が困難である場合の本症に対する併用療法として有用と考えた。

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© 1993 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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