1996 年 18 巻 1 号 p. 73-78
Expandable metallic stent(EMS)留置部の気道に発生した多発性の炎症性ポリープに対し, ciprofloxacin(CPFX)を長期投与し, 著明に縮小した2症例を経験したので報告する。症例1は68歳男性, 肺腺癌による両側主気管支狭窄でEMS挿入4ヵ月後に, 症例2は74歳男性, 甲状腺乳頭癌による気管狭窄例でEMS挿入6ヵ月後にそれぞれポリープが発見されたが, CPFX300mg/日投与後, 症例1では4ヵ月後, 症例2では3ヵ月後に著明に縮小した。EMS長期留置後に生じた炎症性ポリープに対し, 抗菌剤の投与は有効な治療の1つと考えられた。