気管支学
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経気管支肺生検で診断した肺好酸球性肉芽腫症の 1 例
鈴木 道明清水 孝一仲谷 善彰坂本 匡一岩瀬 彰彦青木 茂行松岡 緑郎永山 剛久河端 美則北村 諭
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1996 年 18 巻 6 号 p. 563-568

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抄録

症例は乾性咳嗽を主訴とした喫煙歴のある34歳男性である。胸部X線写真, CTで両側上・中肺野にかけて多発性の結節影, 嚢胞状陰影を認めた。経気管支肺生検で好酸球とS100蛋白染色陽性の組織球が多数存在する肉芽腫を認め, 肺好酸球性肉芽腫症と診断した。入院後, 2週間の経過で胸部X線所見の悪化を認めたため, プレドニゾロンを投与したところ自覚症状, 画像所見とも改善した。しかし, プレドニゾロン漸減とともに胸部X線上の陰影の軽度増強を認めている。本症は開胸肺生検で診断されることが多いが, 経気管支肺生検で診断された例も増加している。早期, あるいは活動期の本症を疑った場合, まず経気管支肺生検を行うことで病理診断が可能な症例が少なくないと考えられた。本症を疑い, TBLBで診断できなかった症例に対しては, 今後, 胸腔鏡下肺生検が有効であろう。

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© 1996 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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