1998 年 20 巻 7 号 p. 614-618
原発性肺癌の治療後に気管支mucosal bridgeを形成した3症例を経験した。組織型は扁平上皮癌が2例, 小細胞癌が1例で, すべて区域枝までに発生し, 生検の結果腫瘍細胞の残存が1例にのみみられた。mucosal bridgeは炎症性消化管疾患では治癒過程の表現とされているが, 呼吸器疾患における報告例は少く, 臨床的意義も不明確である。しかし, 気道を閉塞する炎症, あるいは腫瘍性疾患では, 治療後の頻回の気管支鏡検査が可能であれば, より高頻度に発見される可能性が高いと考えられる。